間野山研究学会からの提言

新型コロナウイルス禍を乗り越えるための提言

2020年5月2日、間野山研究学会では、第4回研究会「新型コロナ問題と『聖地』の現状~各地からの報告」をオンラインにて開催いたしました。同研究会では、コンテンツの聖地が新型コロナウイルスによる影響を乗り越えていくために、地域住民・ファン・権利者は何ができるのか、活発な議論が行われました。そのうえで、研究会の総括として、「新型コロナウイルス禍を乗り越えるための提言」を取りまとめましたので、ここに掲載致します。

本提言は、間野山研究学会が今後、現場で実践・研究活動を展開していくうえでの基本的な指針となるものです。今後、学会員の実践・議論を進めつつ、随時、更新していく予定です。皆様のご理解とお力添えのほど何卒宜しくお願い申し上げます。

 

【全体を通じて】

●「ソーシャルディスタンス」という行動変容が当面求められるなか、ファンの行動も変わる。非接触観光(※人と人や場所が物理的に接触しない観光)を含めた施策の設計と研究が重要になる。

●一方で、「地域や社会、世界と結びつくための、対面に頼らないコミュニケーションチャンネルの選択肢・可能性が増した」と考えつつ、リアルとバーチャルの関係性をどう構築するかも重要な課題。

 

【短期的】

●フットワークが軽いのは個人。彼らの「思い」を受止められる支援の枠組み作りが重要。

(クラウドファンディングなどの活用が一番に考え得るが、震災と異なり全国的に影響が拡がる中、それでも支援をするファンの愛に報いつつ収益の先食いにならないリワードの設計が重要)

●自治体は「地域のためのオンライン支援」の枠組みを、地域外のファンも参画可能な形で拡張を図っていくべき。

 

【長期的】

●権利者(特にアニメのような製作委員会方式による大型コンテンツ)のコンテンツ面からの支援は強力であり、コロナ復興に欠かせないドライバーになる。従来の利害関係の制約を超えて、ぜひ素早い支援や地域への参画へ協力を図ってもらいたい。

 

2020年5月2日

間野山研究学会